2割負担の対象を広げる見直し、2027年度の前までに結論 ― 第136回 介護保険部会 資料2
- 元情報
- 厚生労働省(社会保障審議会 介護保険部会 第136回 資料2)
- 公開日
30秒でわかる要点
- 自己負担が2割になる「一定以上所得」の基準を見直す議論。結論は第10期介護保険事業計画が始まる2027年度(令和9年度)の前までとされ、政府の方針では2026年度中に結論を得るとされている
- いまの基準は単身で年金収入+その他の合計所得280万円以上。部会には230万〜260万円まで下げる4つの案と、対象が約8万〜35万人増えるという粗い試算が示された
- 急な負担増への配慮として、①増える額を月7,000円までに抑える ②預貯金が一定額以下なら申請で1割に戻す、の2案が議論されている。②の場合、市町村が仮の負担割合証を出して申請を促す事務が新たに発生する
関係する事業者すべての事業者
介護スクエアの整理
利用者の自己負担が2割になる所得の基準を、いまより下げる方向で議論が続いています。
現在2割負担なのは利用者の4.3%ですが、部会に示された案では対象が8万〜35万人増えます。
結論は第10期計画が始まる2027年度の前まで。あわせて施設の補足給付も、令和9年度から段階が細かくなります。
現在2割負担なのは利用者の4.3%ですが、部会に示された案では対象が8万〜35万人増えます。
結論は第10期計画が始まる2027年度の前まで。あわせて施設の補足給付も、令和9年度から段階が細かくなります。
■ いまどうなっているか
令和7年3月時点で、介護サービスを使っている方は 5,406,760人。
このうち2割負担は 4.3%(234,062人)、3割負担は 3.9%(206,341人)です。
残りの9割以上は1割負担で使っています。
2割負担が入ったのは平成27年8月で、そのときの考え方は「第1号被保険者の上位およそ20%」でした。
実際に2割になっている方が4.3%にとどまっているのは、サービスを使う方に低所得の方が多いためです。
■ 何が変わりうるか
いまの基準は、年金収入+その他の合計所得が単身280万円以上(夫婦346万円以上)です。
部会には、この280万円を 260万円・250万円・240万円・230万円 まで下げる4案と、
それぞれの財政影響・影響者数の粗い試算が示されました。
配慮措置の組み合わせによりますが、対象が増えるのは約8万人〜35万人。
給付費は年80億〜220億円減る見込みと試算されています。
■ 急な負担増への配慮は2案
ひとつは、増える額に上限を置く案です。
1割から2割になると、負担が最も増える方で月22,200円増えます。
その約3分の1にあたる月7,000円までに抑える、という考え方で、
後期高齢者医療に2割負担が入ったときの措置が下敷きになっています。
もうひとつは、預貯金を見る案です。
同じ収入でも預貯金の額には幅があるため、一定額以下なら申請によって1割に戻します。
部会の資料では、単身300万円/500万円/700万円という3通りの水準で試算されていました。
■ 事業所の実務に効くのは、たぶん2つめのほう
預貯金を見る案が採られると、市町村は毎年こういう流れを踏むことになります。
所得を見て「新しい基準だと2割になりそうな方」を洗い出し、
その旨を書いた仮の負担割合証を出して、預貯金の申請を促す。
申請があれば額を確認して、要件を満たせば1割の負担割合証を出す。
つまり、8月の負担割合証が確定するまでの流れがいまより複雑になります。
資料でも、正確さと事務負担の両方に配慮が要ること、
自己申告を基本にしつつ不正があった場合の加算金を設けること、
市町村が必要に応じて金融機関に照会することなどが、検討事項として挙がっています。
■ 施設とショートステイは、補足給付が令和9年度から変わる
こちらはすでに方向が決まっています。
令和7年12月の部会意見で、次の2つについて概ね意見が一致したとされています。
・第3段階②の負担限度額を上乗せする(令和8年度から)
・第3段階①を「年金収入等80万円超100万円以下」と「100万円超120万円以下」に、
第3段階②を「120万円超140万円以下」と「140万円超」に分け、
このうち上の区分(①イ・②イ)の負担限度額を上乗せする(令和9年度から)
入所系とショートステイでは、令和9年度から利用者の段階の見方が細かくなり、
一部の方の居住費・食費の自己負担が上がります。
■ 住宅型有料老人ホームのケアマネジメント
「登録施設介護支援」という類型が新設され、これに利用者負担を導入する方向で進んでいます。
特定施設入居者生活介護ではケアプランの作成も利用者負担の対象になっているため、
その均衡を図るという考え方です。
補足給付の見直しとあわせて、すでに一定の結論を得た論点として扱われています。
■ 介護スクエアの整理
2割負担の範囲は、平成27年(2015年)に導入されて以来はじめて動く可能性があります。
ただし2027年度に必ず変わると決まったわけではなく、
いま議論されているのは「どこまで広げるか」と「どう配慮するか」の2点です。
事業所として見ておきたいのは、次の3つだと考えています。
ひとつは、負担割合証の流れが変わるかもしれないこと。
預貯金要件が入れば、8月に負担割合が確定するまでの時間が延び、
「まだ決まっていない方」を抱えたまま月初を迎えることになります。
請求とご家族への説明の両方に効きます。
ふたつめは、利用の手控えです。
2割負担が入った直後の調査では、ケアプランの週あたり利用単位数を
「変更しなかった」方は1割負担で84.4%、2割負担で81.8%でした。
差は小さいものの、2割の方のほうがやや低く出ています。
今回は対象となる所得層がいまより下がるため、同じ結果になるとは限りません。
みっつめは、入所系の補足給付です。
令和9年度からの区分の細分化は方向が決まっているので、
該当しそうな入居者の方への説明を、前もって準備できます。
数字と案の中身は、いずれも部会の資料そのものに載っています。
判断に使われるときは、必ず公式の資料をご確認ください。
令和7年3月時点で、介護サービスを使っている方は 5,406,760人。
このうち2割負担は 4.3%(234,062人)、3割負担は 3.9%(206,341人)です。
残りの9割以上は1割負担で使っています。
2割負担が入ったのは平成27年8月で、そのときの考え方は「第1号被保険者の上位およそ20%」でした。
実際に2割になっている方が4.3%にとどまっているのは、サービスを使う方に低所得の方が多いためです。
■ 何が変わりうるか
いまの基準は、年金収入+その他の合計所得が単身280万円以上(夫婦346万円以上)です。
部会には、この280万円を 260万円・250万円・240万円・230万円 まで下げる4案と、
それぞれの財政影響・影響者数の粗い試算が示されました。
配慮措置の組み合わせによりますが、対象が増えるのは約8万人〜35万人。
給付費は年80億〜220億円減る見込みと試算されています。
■ 急な負担増への配慮は2案
ひとつは、増える額に上限を置く案です。
1割から2割になると、負担が最も増える方で月22,200円増えます。
その約3分の1にあたる月7,000円までに抑える、という考え方で、
後期高齢者医療に2割負担が入ったときの措置が下敷きになっています。
もうひとつは、預貯金を見る案です。
同じ収入でも預貯金の額には幅があるため、一定額以下なら申請によって1割に戻します。
部会の資料では、単身300万円/500万円/700万円という3通りの水準で試算されていました。
■ 事業所の実務に効くのは、たぶん2つめのほう
預貯金を見る案が採られると、市町村は毎年こういう流れを踏むことになります。
所得を見て「新しい基準だと2割になりそうな方」を洗い出し、
その旨を書いた仮の負担割合証を出して、預貯金の申請を促す。
申請があれば額を確認して、要件を満たせば1割の負担割合証を出す。
つまり、8月の負担割合証が確定するまでの流れがいまより複雑になります。
資料でも、正確さと事務負担の両方に配慮が要ること、
自己申告を基本にしつつ不正があった場合の加算金を設けること、
市町村が必要に応じて金融機関に照会することなどが、検討事項として挙がっています。
■ 施設とショートステイは、補足給付が令和9年度から変わる
こちらはすでに方向が決まっています。
令和7年12月の部会意見で、次の2つについて概ね意見が一致したとされています。
・第3段階②の負担限度額を上乗せする(令和8年度から)
・第3段階①を「年金収入等80万円超100万円以下」と「100万円超120万円以下」に、
第3段階②を「120万円超140万円以下」と「140万円超」に分け、
このうち上の区分(①イ・②イ)の負担限度額を上乗せする(令和9年度から)
入所系とショートステイでは、令和9年度から利用者の段階の見方が細かくなり、
一部の方の居住費・食費の自己負担が上がります。
■ 住宅型有料老人ホームのケアマネジメント
「登録施設介護支援」という類型が新設され、これに利用者負担を導入する方向で進んでいます。
特定施設入居者生活介護ではケアプランの作成も利用者負担の対象になっているため、
その均衡を図るという考え方です。
補足給付の見直しとあわせて、すでに一定の結論を得た論点として扱われています。
■ 介護スクエアの整理
2割負担の範囲は、平成27年(2015年)に導入されて以来はじめて動く可能性があります。
ただし2027年度に必ず変わると決まったわけではなく、
いま議論されているのは「どこまで広げるか」と「どう配慮するか」の2点です。
事業所として見ておきたいのは、次の3つだと考えています。
ひとつは、負担割合証の流れが変わるかもしれないこと。
預貯金要件が入れば、8月に負担割合が確定するまでの時間が延び、
「まだ決まっていない方」を抱えたまま月初を迎えることになります。
請求とご家族への説明の両方に効きます。
ふたつめは、利用の手控えです。
2割負担が入った直後の調査では、ケアプランの週あたり利用単位数を
「変更しなかった」方は1割負担で84.4%、2割負担で81.8%でした。
差は小さいものの、2割の方のほうがやや低く出ています。
今回は対象となる所得層がいまより下がるため、同じ結果になるとは限りません。
みっつめは、入所系の補足給付です。
令和9年度からの区分の細分化は方向が決まっているので、
該当しそうな入居者の方への説明を、前もって準備できます。
数字と案の中身は、いずれも部会の資料そのものに載っています。
判断に使われるときは、必ず公式の資料をご確認ください。
公式情報を確認する ↗ www.mhlw.go.jp
正確な内容は必ず公式の発表でご確認ください。本ページは介護スクエアが要点を整理したものです。